事業再生を成功させる6つの考え方

2021年01月07日

事業再生を成功に導くための6箇条

事業再生を果たすためには強い意志や覚悟、意識改革が必要です。

どんな考え方をして何をすればいいのでしょうか?

今回は事業再生を成功させるための6つの考え方を伝授します。

事業の立て直しを目指す経営者の方はもちろん、顧問先からアドバイスを求められている会計士や弁護士など士業の方も必見です。

事業再生を成功させるなら、まずは考え方を変えなければいけません。

事業再生を行う上で非常に重要な考え方が6つあるのでご紹介します。

原因分析・課題抽出

事業が上手くいかなくなったのには必ず原因があります。

それが商品の問題なのか、価格設定の問題なのか、宣伝の方法なのか、あるいは市場の問題なのかは千差万別です。まずは徹底的に原因を究明して課題をピックアップしてください。再び同じ失敗を繰り返さないためには原因を正確に把握しておくことが最低限の条件です。

ここで重要なのは他責にならないということ。「景気のせい」「従業員のせい」と責任を押し付ける経営者の方も少なくありませんが、しかし、仮に景気のせいであったとしても打てる手立てはあったはずです。

深く・真摯に失敗した原因に向き合いましょう。

変革のリーダーシップ

事業再生を行う際には経営者の強いリーダーシップが必要不可欠です。

著名な弁護士・経営コンサルタントである上田統氏の著書『企業再生 7つの鉄則』では、特に次のような事柄が重要であることが挙げられています。

外部人材の登用

日本企業では経営を再建する変革のリーダーや社長の右腕を社内から選出するケースが多いです。もちろん、優秀な人材がいれば良いのですが、強いリーダーシップやスキル・知識がある人材がいなければ外部から招くのも手です。

身内だとどうしても思い込みや忖度などが生じます。会社を客観的に見て、率直な意見が言える外部人材のほうが改革に適しているケースは往々にしてあります。実際に、事業再生の旗振り役を外部の人材に任せたことで上手くいった事例は多く存在します。

現場に行き、事実を知る

机上の空論を並べても状況が良くなるわけではありません。事業再生の際には必ず経営者が現場に出向きましょう。

ご自身の目で現場の状況を確認し、従業員から意見を直接聞いてください。事業が失敗した理由が見えてくるはずです。

また、経営者が現場に顔を出して従業員と対話することで、社内の求心力が高まるという効果も期待できます。

継続的な強いコミットメント

事業再生実現というゴールにコミットメントしなければ事業再生は果たせません。

経営者自身が先頭に立ち、覚悟をもって旗振りをしましょう。

ただ、トップが頑張るだけでは不十分です。経営者がコミットする姿を従業員に示すことで、はじめて社内全体が事業再生という目標にベクトルが向き始めます。

参照元:「企業再生の7つの鉄則」(著:植田統)

事業の見極め

「なんとしてでも事業を再生させるんだ!」という強いコミットメントは重要ですが、一方でいくら頑張っても需要が絶対的に少ない、会社の身の丈に合っていない、利益率が確保できないなど、事業自体に問題が残っていると再生することは困難を極めます。

将来性が見込めない事業はリソースをつぎ込んで再生を目指すよりも、撤退をしたり譲渡したりしたほうが良い場合があります。事業を正しく見極めて決断するためにも、原因分析や課題抽出は綿密に行いましょう。

社員の意識改革

事業再生を果たすためには社員の意識改革も必要不可欠です。事業のビジョンを社員全体に明確に示し、社員と密にコミュニケーションをとることで、会社が事業再生の方向に進んでいきます。

とはいえ、いきなり社員の意識を変えるのは容易なことではありません。先ほども挙げたように現場に出向いて社員と対話をし、会社のロードマップを地道に示していくことで、少しずつ再生に対する意識が芽生えてきます。

徹底した財務管理

ずさんな財務管理も事業が失敗する要因の一つです。売上があってもそれ以上に出費をしていたら赤字になります。「いくらお金が入って出ていくのか?」現金の流れを正しく把握しましょう。

そして、「無駄な固定費がないか?」「過剰な投資をしていないか?」経費を徹底的に見直してください。もともと売上がある事業であれば、財務管理を徹底してキャッシュフローを改善すれば再生への道のりは比較的容易です。

専門家への相談

経営者が一人、あるいは身内だけで考えていても、なかなか良いアイディアが浮かんでこないものです。事業再生を目指そうにも、知識や経験がないためうまくいきません。

そこで、コンサルタントなど第三者の専門家に相談してみましょう。事業が失敗した原因から再生までのプロセスまで、客観的かつ正しいアドバイスが貰えるはずです。経営者あるいは社員のモチベーション維持や意識改革という点でもアシストしてくれるでしょう。

事業再生を失敗しないために..

事業再生は企業再生に直結していることもあり、失敗しないことが何より重要です。

そのため、徹底的に原因を分析して課題を見つけ、経営者と社員の意識が変わり、具体的に計画を立てて実行に移すことで、はじめて再生への道が開けます。

そのためには会社や事業を客観的に見て、的確にアドバイスができる専門家の手助けが非常に有効です。

同じ失敗を繰り返さず、事業再生を成功させたいのであれば、第三者の力を借りることも検討してみてください。

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