事例1一等地の不動産を所有する創業家保有の会社を合併し、20億円の債務超過を解消
150年の社歴を持ち150名の従業員が在籍していた小売業のA社。
バブル期に過剰な出店を繰り返した結果、バブルの崩壊により多額の赤字を計上する事態に陥りました。
また、売上ノルマが厳しくその達成度に応じて報酬が支払われる給与体系を採用していたため、店舗単位での売上額の粉飾が発生しており、架空の売掛金だけが蓄積されていました。
あわせて特定店舗の店長による在庫詐取の実態も判明。財務調査の結果、債務超過は20億円にものぼる額となっていたのです。
先代のご兄弟が株主になっている会社が時価30億円にもなる一等地を所有していたため、何度も親族会議を開催し現社長とともに会社の合併のお願いをした結果、先代のご兄弟の承認を得ることができ、債務超過を一気に解消することができました。
その後、店舗のリストラや社員の意識改革にも着手。損益も黒字化を達成できたことで、スピード再生を遂げることができました。
事例2短期的な事業再生のみならず、将来の企業の安定を図るべく、『人間力』で親族間のドロドロも解消
社員百名から千名規模の中堅建設会社B社。
その業績は下降しており、何とか業績を回復させようとさまざまな提案している再生フェーズにありました。しかしB社では70代半ばのオーナーが独裁体制を敷いており、現社長であるオーナーの息子は仕事への熱意がない方でした。
このような状況のなか、1年後にオーナーが亡くなり、オーナーが所有していたB社や遺産について、先妻の息子である現社長と後妻の娘の泥沼の争いに発展することになります。
コンサル会社の担当者は、それを何とかまとめ上げ、株は現社長のものに、他の資産は娘にと振り分けました。
その後、コンサル会社の再生施策が功を奏し、2億円以上の赤字企業だったのが、15億円の黒字を生む企業へと生まれ変わりました。
事例3コンサル会社と弁護士事務所が協力し事業再生に成功
物流業務を中心に、さまざまな事業を展開していたA社。
粉飾決算により債務超過となっていたほか、経営陣には経営センスがなく立て直し方が図りにくい状況でした。
そこで、弁護士事務所Mと協力し、事業を4つに分け別々の会社に譲渡したのです。結果、全事業の売却に成功し、銀行には借入金の一括弁済ができました。
しかしその前にメインバンクがA社の預金を押さえており、弁護士が介入しないと差し押さえの解除は難しい状況でした。
事業再生のプロセスを進めるにあたり、コンサル会社と弁護士事務所Mは細かく役割分担し、密に連絡を実施。預金差し押さえの解除を実現し、事業再生に成功しました。
事例4売上拡大と組織変革による有料老人ホームの事業再生
多額の負債を抱える事業を再生させるのは一筋縄ではいきません。
読者の方にも赤字続きの事業をなんとか再生させたいと奮闘されている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、倒産寸前の有料老人ホームを売上拡大と組織変革によりV字回復させ事業再生に導いた事例について担当者の方に伺いました。