各プロフェッショナルがチーム一丸となって事業再生に取り組む | 事業再生のリアル

各プロフェッショナルがチーム一丸となって事業再生に取り組む

弁護士や税理士の方の中には、顧問先企業の事業再生に携わる外部コンサルタントと上手く連携が取れずに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は外部コンサルタントと協業することで事業再生を成功できた事例について担当者のYさんに伺いました。

コンサル会社 Yさんの紹介 経営コンサルタント。
経営戦略が得意で、どんなクライアントでも親身に寄り添い無理のない戦略を組み立てて実行し、数多くの企業を救済してきました。

事業売却による立て直しでV字回復

──今回はコンサルと弁護士や税理士と協力して事業再生をした事例をお聞かせください。

【コンサル会社 担当Yさん】 弁護士や税理士と協力した事業再生というと、やはり弁護士事務所Mさんと協力した案件でしょうか。
弁護士事務所Mさんとは、いくつか案件を手掛けています。その1つが物流業務を中心に、人材派遣や小売、飲食店までさまざまな事業展開を行っていたA社にかかわるものです。

ところが事業拡大のための過剰投資とその失敗を隠ぺいするための粉飾決算、経営陣に対する労働組合からの外部への内部告発等、様々な問題が噴出して、社内が大混乱となっていました。

法的問題、労務問題にも発展していたので私たちだけでは解決できるはずもなく、Mさんと業務分担をしながら二人三脚で再生を図っていくこととしました。金融機関からも「オーナーチェンジは必ずしてくれ」と強く言われていたので、私たちとMさんはA社を立て直すために事業を4つにわけそれぞれを別の会社に譲渡する戦略をたてました。

その過程には短時間で語れないくらい色んなことがありましたが、結果的には全部の事業をそれぞれ4社にきれいに譲渡し、従業員は100%新会社に移籍させることができましたし、金融機関には100%一括弁済をすることができました。金融機関はそれぞれ格付けを実質破綻先まで落としていたので、一気に貸倒引当金の戻し入れができて喜んでいました(笑)

再生の場面では我々のようなコンサルタントだけではいかんともしがたい事も多く、弁護士さんや税理士さん等専門家の先生方の協力が必要になる場面が非常に多い。全員で課題を共有し、それぞれの役割分担を決めて、ゴールに向けて一心同体で進んでいくことで、成功の確度が格段にあがります。

それぞれの専門性を活かした弁護士たち

──弁護士さんはどんな役割を担うのでしょうか。当然、法的な手続きに関係した事柄だとは思うのですが。

【コンサル会社 担当Yさん】 金融機関側が、債権回収のために預金を差し押えるケースがあります。A社でもすでに準メインバンクが預金を差し押さえていましたから、弁護士さんが入ってくれないと難しい状況にありました。

──Yさんが案件に着手した時には、すでに銀行口座を差押えされていたのですね。

【コンサル会社 担当Yさん】 ですから、このままでは別の金融機関も同様の行動に走る可能性が高く、たちまち資金繰りに窮することが目に見えていました。なぜ準メインバンクがそこまで強硬な態度をとったのかは、前述したように粉飾決算や内部告発等で継続企業と見做さなかったからです。その段階にいく前に、もう少し上手く金融機関と交渉できればよかったのですが……。実はA社には顧問弁護士の先生がいらっしゃったのです。私たちが案件に着手するまでは、その先生が対応されていました。
弁護士と聞くと、法律の知識に明るい専門家というイメージをお持ちの方も多いと思います。その通り、法のプロフェッショナルであるのは間違いないのですが、弁護士事務所や先生それぞれで得意分野は異なります。A社の顧問弁護士のご専門は、労働問題でした。労働問題ももちろん、企業の顧問弁護士として不可欠な知識ですが、企業再生の場面とは専門性が異なります。そのため、金融機関への対応も、後手に回ってしまった可能性は否めません。弁護士事務所Mさんは企業再生における実績も豊富でしたので、すぐにMさんに関与してもらい、協力して案件に取り組むことにしました。

もともとは、私たちも銀行に100%弁済までできるとは考えていませんでした。ただ銀行とこじれにこじれた案件だったので、少なくとも納得できる弁済額の提示が必要と考えていました。一方で雇用の100%確保も念頭に置かなければならない。

本来このような再生の場面ではスピード決着が大事になってくるので事業の一括譲渡を選ぶことが多いのですが、私たちと弁護士のチームで議論を重ねた結果、「これは事業を別々にして譲渡したほうがいい。協力しながら最速で進めていこう。」という結論になりました。

本当にチーム一丸となってよくやりきれたなあと今でも思います。

──もともとついていた顧問弁護士の先生が、事業再生を得意としない方だったら?

【コンサル会社 担当Yさん】 今回の案件でもそうですし、よくある例だと思います。
ただ、やはり強みとするところで活躍するのが、私たちにとっても、顧問弁護士の先生にとってもベストな選択だと思います。事業再生においては、経営者の説得も必要になりますし、組合や従業員への説得も必要になります。
会社がごたごたしていると、従業員も不安になってしまい、労働争議のような状況に陥るのですが、これはマイナス材料になりかねません。
A社の弁護士先生は、労働問題専門で長年A社の労務問題に関わってきた先生でしたから、組合や従業員対応のところで実力を発揮してもらいました。そうすることで私たちは、事業再生業務に徹することができました。
よって私たち、Mさん、A社の顧問弁護士の先生、それぞれのどこかのピースが欠けるとこれだけスピード感のある再生はできなかったかもしれません。

──顧問税理士が入っている企業もたくさんありますが、税理士の立場や役割はどうなのでしょうか。

【コンサル会社 担当Yさん】 A社の場合は、税理士が粉飾に関与していたわけで(笑)
なので今回のチームにいれることはできませんでした。
ただ様々な案件で顧問税理士さんとも1チームとなり一緒に再生していくケースは多々あります。なんといっても顧問税理士の先生はその会社の数字を長年見られてきたわけですから、その会社の歴史をよくご存じです。また事後処理としての税務申告もあります。なので現在の顧問税理士の先生にチームに入ってもらい一緒に再生を図っていくことが一番効果的かつ効率的だと考えます。

──確かに、顧問先の状況をまったく知らなかったはずはありませんから、税理士の立場は微妙です。
ただ場合によっては、再生を希望する会社にもともと在籍していた弁護士さんや税理士さんもそれぞれの得意分野を生かし、できる事柄で協力してもらうという形になる形になりますね。
Yさんや弁護士事務所Mさんのような事業再生に強みを持つ人たちと共にチームを組めば、会社を立て直せる可能性が見えてくるということですね。

愛がないと最後まで出来ないのが事業再生

【コンサル会社 担当Yさん】 そうですね。やはり事業再生は経験豊富な専門家でないと、上手くいかない場合 が多いですから。
ここからは別の案件になるのですが、ある卸売市場がピンチになったお話です。その市場は滞留している売掛金が40億ぐらいある状態でした。過去の経営者の売上至上主義経営によりどんどん得意先に商品をつっこんでいった結果、回収不能な債権がたまっていったのです。
市場には、所轄官庁の監査が入ります。その監査の際、「いい加減引当金を積まないと、許認可を取り消しますよ」と迫られたのです。ただ、引当を当てると、瞬く間に債務超過になってしまいます。それは即業界からの退出を意味します。
なぜなら、産地から市場に物が届かなくなる、もしくは多額の保証金が求められるからです。
しかし、市場には公共性もあります。そう簡単に潰すわけにはいきません。そこでこの案件も弁護士事務所Mさんに相談しました。顧問弁護士の先生は債権回収を得意としている方で再生の専門家ではなかったからです。
Mさんと相談し、とりあえず債務超過にならないような形まで持ってこないといけないので、その分金融機関さんに協力を得るしかないという結論になりました。
この時に採用した方法が事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)です。
事業再生ADRとは、会社更生法や民事再生法などの法的手続きによらず、金融機関との協議の中で事業再生を図る制度です。経済産業大臣の認定を受けた公正・中立な第三者(認証ADR機関)が間に入ります。
事業再生ADRには非難の声も大きく、なかなか話がまとまりませんでしたが、弁護士事務所MさんやADR手続実施者の先生方のご尽力により、最終的にはフィナンシャルスポンサーをつけて、既存金融機関の皆様には概ね半額カットの協力をいただきました。

一方、多額の債務免除益にあてる損失が必要になります。そうしないとせっかく金融機関に債務免除の承認をいただいたのに、税金で手元資金が流出することになります。売掛金は滞留しているだけで企業実態は残存しているので、損金に計上できません。

そこで、滞留売掛先の会社の整理を顧問弁護士の先生に依頼しました。顧問弁護士の先生は債権回収を得意としている先生だったので、我々の要望通り同時進行で滞留売掛先の整理を着々と進めていただいた結果、債務免除益にあてる損金も作ることができて税流出もなくきれいな形での再生を図ることができました。

──顧問弁護士と外部のコンサル、弁護士が皆で協力してピンチを脱却し、会社を立て直す様にドラマを感じますね。

【コンサル会社 担当Yさん】 自分たちの利益だけを考えていたら、事業再生に携わる仕事はできないと思っています。実際私はこの案件に関与したことで、ある金融機関からそっぽを向かれてしまいました。
自身の利益を超えて、本当に会社の存続を考え、会社や従業員の皆さんへの思いやりや愛を持って取り組まないと、多分最後まで手伝うことはできません。自身の利益だけを考えると逃げてしまいたい場面が多々ありますから・・・(笑)
いつも仕事の範疇を超えるパワーを持って取り組んでます。それぐらい力発揮しないと、そんなに簡単に事業再生を成し遂げるなんてできませんよ。会社がだめになるのは早いけど、よくなるのには時間かかるものです。
失った信用を取り戻すためにも時間や労力が必要です。

──あれこれと手を打ったところで、会社がよくなるかどうかなんて、わからないものですよね。
打った手が狙い通りにいかないケースもあります。常に先回りして保険をかけておかなくてはなりません。
そのためにもやはりYさんたちのような専門家が協力しあって、チームとなって策を練らないといけないのでしょうね。打った手が綺麗に上がり出すケースとそうならないケースがやっぱりありますから。

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