水耕栽培による無農薬野菜の生産を手掛ける京都市のスプレッドが民事再生を申請

2024年08月26日

会社名 株式会社スプレッド
公式HP https://spread.co.jp/
再生方法 民事再生
申請日 2024年8月26日
負債額 39億9920万円
本社所在地 京都府京都市下京区中堂寺粟田町93番地 KRP6号館
資本金 4億7,000万円

株式会社スプレッド(京都市下京区)は、2024年8月26日に京都地方裁判所に対して民事再生法の適用を申請しました。申請代理人は、同市中京区に所在する河本総合法律事務所の河本茂行弁護士です。会社の負債総額は、2022年9月期決算時点で約40億円と報告されています。

同社は水耕栽培による無農薬野菜の生産を手がけてきました。主に生産してきた野菜は4種類のレタスです。2007年7月には、京都府亀岡市において完全人工光型の植物工場という画期的な「亀岡プラント」を建設し、2008年から本格稼働を開始。初年度の売上高は約1億4753万円にのぼり、2012年には5億円を突破するなど徐々に拡大し、順風満帆な経営状況にあると思われました。

ところが、これらの設備投資が重なった結果、一転して業績が赤字に転落。債務超過を克服するための施策が求められることになりました。まず2018年には、同社の2カ所目となる植物工場「テクノファームけいはんな」を京都府木津川市に建設し、同社オリジナルのIoTを活用した栽培管理システムを導入。この取り組みが功を奏し、同年3月期には債務超過からの脱却に成功しました。続いて2021年5月には、新たに農薬不使用のイチゴ量産システムを開発し、2022年3月期には売上高約17億1100万円を記録。2022年8月にはエンジェル投資家などからの40億円の資金調達を実施し、財政難からの脱却は目前のように思われました。

しかし、2022年9月期には特別損失を約24億円計上したため約33億円の赤字決算となり、再び債務超過に陥ってしまいます。2024年6月には、神奈川県秦野市に次世代型カットレタス工場「テクノフレッシュ秦野」を建設する計画でしたが、同年4月には主力工場として稼働してきた亀岡プラントが老朽化により生産を一時停止せざるを得なくなりました。このように受注減少と資金繰りの悪化が続き、最終的には法的手続きを選択することとなったのです。

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