2023年09月26日
事業再生を目指すにあたって金融機関からの資金支援が受けられない状態は手遅れ
-資金支援が受けられない状態では打つ手が限られる-
事業再生を依頼される際に完全に手遅れな状態ということはあるのでしょうか?
手遅れというと定義が難しいですが、金融機関からこれ以上の資金支援をしてもらえず資金に目処が立たなくなってしまったらもう遅いですね。来月このままいくと資金ショートします、資金支援も受けられませんみたいな状況ですと、もちろん私たちは最大限動きますが、出来ることが限られてしまって難しいということはあります。
それでは、コンサルに相談をした方が良いベストなタイミングなどはありますか?
我々が再生を目指すうえでやれることの余地を残そうと思うと、金融機関から資金支援を受ける際に、色々と質問をされるようになってきたり、融資判断が遅れたりというような今までと違う動きが出てきた時がタイミングだと思います。
「もう少し頑張ってもらわないと今年は良くても来年は(融資が)厳しくなってきますよ」といったような趣旨のフレーズが少しでも聞こえてきたら、実は兆候が出ているサインです。そこで相談してもらえたら、そんなに激しくコストカットをせずとも1年くらいは動けるチャンスがあるので、取り得る道も沢山残されている。でも人間ってそこで気づけなくて、今年は支援を受けれたから大丈夫だと現状に甘んじて動かないんです。
さらに言うと、ここで言う金融機関というのはメインバンクのことを意味しています。地銀さんや信金さんでは、よく新規のお客様でもお試しで3,000~5,000万くらい貸してくれたりするんですが、こういう借入を各所からつまんでいる状態で、メインバンクはどんどん減っているのに細かい借入先がどんどん増えている状態の会社は本当にまずい状態です。一番お客様のことを理解してくれてきたメインバンクが貸してくれないということは、信用力が著しく無くなっているということで、その状態で借金を増やしてしまったらもちろん首が回らなくなる。そこで相談に来ても遅い場合が多いし、再生にあたって支援を要請する金融機関の調整が非常に難しくなります。
やはり、メインバンクからの資金支援が受けづらくなった時というのが相談すべき一番のタイミングだと思います。
- 資金支援の目処が立たないと事業再生は叶わない
- メインバンクからの融資がスムーズに受けられなくなってきたら、
すぐに専門家に相談するべき
・次回 後編:事業再生が成功する条件
事業再生が上手くいかない企業のパターンは大きくは2つしかないと思います。1つ目は事業にそもそもポテンシャルがない企業で、2つ目は〇〇に問題がある企業です。……(一部抜粋)
続きの後編では引き続き、公認会計士の山本氏に事業再生が成功する会社の条件について等、事業再生について更に深い内容を伺いました。