【コロナ融資リスケの落とし穴】倒産件数は過去最低でも破綻予備軍は30万社以上!

2021年12月28日

財政支援でコロナでも倒産件数は過去最低水準!

新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから2年が経とうとしています。コロナ禍が続いていることでダメージを受けている企業が多いものの、継続して政策支援が行われていることで、倒産件数は過去最低水準となっています。

帝国データバンクの統計によると2021年11月末時点見込みでの倒産件数は5,900件台です。倒産件数の推移が今のままのペースだと、2021年の倒産件数は6,000件を下回る可能性が高くなっています。

もし仮に年間倒産件数が5,000件台となると、1966年に記録した5,919件以来の水準になります。55年ぶりとなる歴史的な倒産件数の低水準を記録するわけです。

約6割の中小企業が1年以内にコロナ融資の返済スタート

過去最低水準を記録している年間倒産件数ですが、倒産件数の低下に貢献したのは、総額40兆円にもなる実質無利子・無担保融資、いわゆる「ゼロ・ゼロ融資」です。

このゼロ・ゼロ融資は、コロナ禍で企業活動に影響を受けていれば企業の信用力に関わらず、有利な条件で借り入れを行うことができました。そのため、多くの企業が利用したのです。

ゼロ・ゼロ融資には最長で5年間という返済据置き期間が設定されていたのですが、利用企業の約6割が据置期間を1年に設定しています。コロナ禍で経済状況が厳しくなってから既に1年が経とうとしており、多くの企業でゼロ・ゼロ融資への返済がスタートしようとしています。

いまだ日本経済の回復が見えない中、本業回復が見通せずに融資への返済が難しい企業は数多く存在します。そのような企業を中心に現在では過剰債務問題が課題となっています。

破綻予備軍は全国に30万社以上!

日本企業の営業利益率の平均は、リーマンショックが起こった2009年度の-0.94%を底にして、2019年度には+2.35%まで上昇していました。しかしコロナ禍によって、2020年度の数値は+0.72%まで下降しています。2021年度の平均営業利益率はさらに下降すると予想されています。

ゼロ・ゼロ融資のほか、日本銀行のコロナ資金繰り対策などの政策支援で融資を受けることができてはいても、多くの企業で利益が出ていないという状況に陥っているのです。

帝国データバンクでは、過去3年にわたってICR(利払い負担に対する利益の比率)が1を下回っている状態の企業、すなわち利益から債務利払いが不能の状態が続いている企業を「経営破たん懸念企業」と定義しています。

このような企業が日本全体に占める割合はどのようになっているのかを算出してみると、2020年度で7.36%に上ることが判明しました。全国の企業数は約400万社といわれていますが、その中の約30万社が経営破たん懸念企業となります。

経営破綻の予備軍が全国で30万社にもなっているというわけです。

中小企業の借入金が大幅に増加!

企業の借入金の状況を2021年3月期決算で見ていくと、借入金が増加したのは資本金1億円以上の大企業が31.7%に対して、資本金1億円未満の中小企業では45.4%となっています。借入金が増えている中小企業は、大企業と比べ、13.7ポイント上回っているのです。

2020年3月期決算と比較して、全産業で借入増加企業の構成比が上昇しています。その中でもとくに、コロナ禍の影響を大きく受けている、運輸業やサービス業、建設業、卸売業、製造業で借入金の増加が目立っています。

もっとも目立つのは、飲食業、宿泊業です。これら両業種では、収益力(EBITDA/税引前利益から、特別損益、支払利息、減価償却費を引いた値)が急激に悪化しており、借入金も増加しています。

借入金を返済できず、借入金を返済に回してさらに借入金が増えるという悪循環に陥っている中小企業が増えているというわけです。

追加融資をうけられなければリスケジュールを検討

収益力が低下し借入金が増えているので返済ができず、かといって追加融資も受けることができないのであれば、返済のリスケ(リスケジュール)を検討しましょう。

リスケとは、借入金の返済プランを調整してもらうことです。たとえば、3千万円を5年で返すプランで受けた融資を、10年かけて返済するプランに変更してもらい、1年で支払う返済額を調整するというようなことが考えられます。リスケ(リスケジュール)をすることで債務者の返済負担が減りますので、資金繰りがしやすくなるというメリットがあります。

中小企業にオススメの融資返済の相談先

コロナ禍の現在、各都道府県に設置された中小企業再生支援協議会では、中小企業の事業再生を支援するために窓口相談や債権者調整などを含んだ再生計画の策定支援を行っています。これは「新型コロナ特例リスケジュール」と呼ばれており、中小企業再生支援協議会が経営者の代理として、金融機関との間で必要となるリスケの同意など双方の調整を行います

「新型コロナ特例リスケジュール」の詳細は以下をご覧ください。

コロナ融資リスケの落とし穴

「新型コロナ特例リスケジュール」を申請するには、さまざまな書類が必要となってきます。

リスケジュールするには経営を立て直せるという根拠が必要!

「新型コロナ特例リスケジュール」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で業況が悪化した中小企業の当面の資金繰りを確保するために実行されるものです。そのため、通常の再生計画策定支援とは異なり、事業改善の見通しを証明する必要がありません。

しかし申請には、改善計画書、損益計画書、資金繰り計画表などといった書類は必要となってきます。このような書類を経営者だけで準備するのは大変です。事業再生の専門家に相談することをおすすめします。

焦って銀行に駆け込まない

ゼロ・ゼロ融資は2020年4月までは政府系金融機関が手がけていましたが、2020年5月以降は民間金融機関も手がけています。その場合、政府が利子を補填しているわけです。

ゼロ・ゼロ融資では、利息だけを支払えばいい返済据置き期間が最長5年間設けられていましたが、前述したとおり、返済据置き期間が1年の企業も多く、返済が迫っている企業も多くなっています。

そこで焦って銀行に駆け込んでただリスケをお願いしても、事業を立て直せる証拠を用意しないと応じてくれないことがあります。民間金融機関から借り入れを受けていた場合、政府が支援をしていても最終判断はその金融機関です。

しかし、そこで諦めてはいけません。金融庁や経済産業省などから2021年1月に相次いで、金融機関に対し返済据置き期間の延長要請が通達されているからです。

リスケをお願いした銀行から、返済据置きの延長を断られた場合には、銀行担当者に対してこれらの通達を見せて交渉に挑むようにしましょう。

中堅、大手企業は専門家に相談がオススメ

リスケをすると、融資条件が変更になったり追加融資が難しくなったりする場合があります。最悪、リスケが通らない場合もあります。金融庁や経済産業省から出された返済据置き期間の延長はあくまで要請であり、条例や法律で決まったものではありません。最終的な判断は金融機関側にあるからです。

中堅企業や大手企業の場合、融資金額も多くなりますので、融資条件の変更や追加融資の否決がされてしまうと、事業継続にも影響が生じることになります。

売上高が10億円以上あるような企業の場合、資金調達にとどまらず、将来の事業サポートも受けることができる「みそうパートナーズ」などといった、事業再生の専門家に相談することをおすすめします。

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