銀行員からコンサルタントへの転職
〜事業再生コンサルという選択肢〜

2025年02月21日

銀行からの転職を考えるとき。
「いずれは転職したい」や「さらなるキャリアアップを」「ほかの業界を経験してみたい」あるいは「こんなはずではなかった」など、さまざまな理由があるかと思います。
銀行勤務のキャリアは異業種への転職を考えた場合、非常に有利です。
今までの経験・スキルを生かして、キャリアアップや社会貢献、そして収入増を見込める職業のひとつに、事業再生コンサルタントがあります

銀行から異業種への転職

地銀、メガバンク問わず今も昔も銀行への就職はやはり、狭き門です。
就職活動を経て銀行に採用されたとき、ご自分はもちろん、周囲の方々も喜んだことでしょう。
銀行を辞め、異業種への転職に舵を切るのは勇気がいるかもしれません。親や配偶者の反対にあっている、という方も少なくないのでは。
しかしながら今、培ったキャリアをステップに異業種への転職を目指す銀行員は、売り手市場です。その理由を詳しく説明します。

銀行員の転職先としてポピュラーな業界は

銀行から異業種に転職する場合、取引先にヘッドハンティングされるパターンをはじめ、転職活動を通して企業の管理部門(経理、財務など)や、金融・証券・保険といった似た業界へ転職する動きが目立ちます。

ほか、コンサル系も人気です。総合コンサルから専門コンサルまで、コンサル業を主軸とした会社は国内だけでも数が多く、外資系企業への転職も珍しくありません

銀行からコンサルへの転職が人気の理由

ご存知の通り近年、銀行は厳しい状況に置かれています。デジタル決済などの普及でかつて担っていた業務の大半は必要性が低下し、人員削減の傾向にある銀行も多いようです。
こうした流れを不安視するほか、前向きなキャリアアップを目指した銀行員の転職先として、コンサルティングファームは人気です。
お金に関する知識・経験を備えた銀行経験者を積極採用したいファームもまた、少なくありません

転職時、視野に入るコンサルの主なもの

銀行員の転職先として総合コンサルのほか、金融領域をカバーするファームがよく選ばれます。
それぞれ、銀行でのキャリアがある人材を採用したい明確な理由があります。

総合系

経営から現場まで、コンサルの立場で幅広い支援を行う、総合系コンサルティングファーム。
銀行勤務で培われた財務・法務・税務などの専門知識は、経済状況や市場動向への深い理解をもたらします。
特に、専門的な知識を素地にグローバルな思考ができる人材は魅力的です。コミュニケーション力や成果志向も、採用のポイントになるでしょう。
業績拡大やビジネスの多様化に伴い、中途採用を積極的に行う総合系コンサルティングファームが目立ちます

戦略系

クライアントごとの経営課題の掘り起こしから経営戦略の創出、そして業績向上までを担う戦略系コンサルティングファーム。
マッキンゼーやアクセンチュアといった世界的大企業をはじめ、国内でもネームバリューのある企業が目立つ戦略系コンサルティングファームは、銀行出身者に人気の転職先です。
銀行での勤務経験がある場合は金融知識に加えて、さまざまな業種の経営者との折衝経験も強みになりやすいでしょう。
特に法人営業やM&A関連業務、リスク管理の経験がある場合は即戦力として評価されることが多いようです。

M&A仲介

後継者不足の悩みを抱える企業が増えている昨今、譲渡先探しや条件交渉などを担うM&A仲介コンサルティングファームのニーズは増加中です。
M&A周辺業務を強化した企業が軒並み売上を伸ばしていることからも、M&A仲介コンサルの必要性が高まっていることを実感できるのではないでしょうか。
M&Aに関わった経験があればもちろんのこと、法人営業の実績があり経営者とのやりとりに慣れている銀行経験者などにも門戸が広いでしょう。

FAS系

資金繰りや財務、税金などファイナンス関連の支援を行うFAS系コンサルティングファーム。銀行出身者がコンサルティングファームへの転職を考えたとき、候補に入るコンサルファームのひとつです。
公認会計士や税理士など、財務関連の資格があればなお、親和性が高いといえます。有資格者でなくても、こうした資格の取得や学習に前向きな姿勢が伝われば、可能性はあるでしょう。

事業再生系

事業再生系コンサルティングファームも、銀行からの転職先として人気を博しています。
企業経営者の高齢化などを背景に、事業再生系はコンサル業界のなかでも今、トレンドといえる分野のひとつです。
特に、銀行員として零細・中小企業の支援に関わった際「結局はお金なのか」などと、もどかしさを感じた方には、やりがいを感じられる可能性が高い職場といえるのではないでしょうか。

銀行から事業再生コンサルへの転職

事業再生のリアルでは銀行勤務で転職を考える方に、事業再生コンサルタントとしてのセカンドキャリアを提案いたします。
事業再生コンサルの仕事は銀行勤務で得たお金の知識に加えて、プロとしてさまざまな立場の人と交渉し、時には寄り添ってきた経験を全く別の形で生かせるからです。

事業再生コンサルタントの主な業務

経営難やマーケットの変化等を受け、今後の存続にかげりが見え始めた企業などの再建を担う事業再生コンサルタント。
主な業務として、

  • 戦略立案(コスト削減、収益改善など)
  • 資金調達支援
  • 組織改革
  • 継続・再生の道筋整理

などが挙げられます。

さまざまな視点から顧客の課題を洗い出し、具体的な再生計画を決めて実行し、安定を取り戻すまで寄り添います
クライアントと長く、濃い付き合いになる仕事といえるでしょう。

銀行からの転職組は有利

銀行から事業再生コンサルタントへの転職は、非常に有利といえます。
採用する側にとって、一定以上の金融知識があり、その知識を生かして銀行員として企業等と折衝をしていた経験などは非常に魅力的です。
銀行員という立場から、企業の存続や再生に関わったことがあれば、面接などでいいPR材料になります
加えて、事業再生コンサル転身へのやる気を存分に伝えられれば、転職も現実的になるでしょう。

事業再生コンサルタントの魅力

銀行からの転職先候補として事業再生コンサルタントを考え始めたら、その魅力について掘り下げてみましょう。
そうすることで、転職後のイメージが具体的に描けます。

社会的意義がある

事業再生コンサルタントはクライアントの経営者・スタッフらに希望をもたらし、再生へ具体的な道筋をつける仕事です。
クライアントへの貢献はもちろんのこと、いち企業を再生させることで世の中の経済活動を支えているという社会的意義を感じられる魅力があります。

年収が高め

勤務先や年齢、経験、関連資格の有無などにもよりますが、事業再生コンサルタントとして転職した場合、収入アップが見込める可能性も高いでしょう。
具体的な年収のサンプルについては「事業再生コンサルの年収・仕事内容は?」にくわしくまとめています。

顧客の課題をダイレクトに支援できる

事業再生コンサルタントの仕事は「長い間、顧客のそばに寄り添う」のも、大きな特徴のひとつです。
時にはクライアント企業に常駐し、経営者やスタッフらと膝を付き合わせて密に仕事をすることもあります。
緊密な人間関係を築き、同じ目標に向かうのはやりがいがありますし、目標に到達したときはその喜びをクライアントとともに分かち合えるでしょう

経営者と直接関わる機会が多い

事業再生コンサルタントとはその名のとおり、事業を根幹から立て直すのが仕事です。クライアント企業の経営者らとの協力は不可欠で、業務時間の多くを彼ら彼女らと過ごすことになります
経営者のあり方はさまざまですが、企業のトップとしてスタッフを率いてきた実績のある人たちと仕事をすることで人脈が広がったり、経営に対する考え方などを学べたりする機会にも恵まれるでしょう。

キャリアの専門性がより高まる

クライアントの目標を達成するたびに「コンサルタントとして、この企業を立て直した」という実績が増えるのは、事業再生コンサルタント業の強みです。
企業ごとに事業再生の道筋は多岐にわたります。担当した企業と似たケースの事業再生を望む企業が現れたとき、あなたに白羽の矢が立つ可能性は大きいでしょう。
「この業界の事業再生に強いのはこの人」といった専門性を備え、業界では知られた存在になるケースも多くあります

キャリアの選択肢が広がる

銀行は現在も、どちらかというと終身雇用の傾向が強い業界です。
対して事業再生コンサルタントは、最初はコンサルファーム等に所属するケースが多いものの、経験を積んだ後はフリーのコンサルタントとして活躍したり、新たなファームを立ち上げたりする人も少なくありません。
キャリアの選択肢が広いことも、事業再生コンサルタントの仕事をするうえで、大きな利点のひとつといえるでしょう。

お金中心の仕事ではない

銀行からコンサル業への転身を目指す方のなかには「金銭面だけでなく、もっと密接に顧客と向き合いたい」と考えている方も、多いのではないでしょうか。
融資をして利息で儲けるのが主業務である銀行に対して、事業再生コンサルタントは再生を希望する企業などの問題点を洗い出し、再出発の軌道に乗せるのが仕事です。
体力・知力のいる仕事ですが、銀行で得たお金周りの知識・経験を生かしつつ「クライアントの役に立っている」実感が得られる場面が非常に多いでしょう。

事業再生コンサルタントの一日

事業再生コンサルタントはオフィス出社とクライアント企業への訪問が、1日の大半を占めます。

遠方のコンサルタントを担当した場合は、リモートでのやりとりが必要な場面もあるでしょう。

事業再生コンサルの典型的タイムテーブル

事業再生コンサルタントは企業に属していても、銀行勤務時とはまた違ったライフスタイルになる可能性が高いでしょう。

【事業再生コンサルタントの典型的な一日】

10:00 クライアント訪問。業務の進捗やヒアリングなど
12:00 昼食
13:00 オフィス出社。書類まとめやミーティングなど
19:00 業務終了

クライアントの希望によって、1日のタイムテーブルは違ってきます
オフィス出社とテレワークが混在するファームも、最近では増えているようです。

銀行勤務と違って朝早くなく、夜遅い傾向

銀行勤務では顧客訪問のあるなしに関わらず、朝は9時前から出社し、シーズンや業務量によっては夜遅くまで残業するケースが多いと思います。
事業再生コンサルタントは、朝が早いことはまれです。ただクライアントによっては、早朝に呼び出されたりするケースもあるでしょう。

主な事業再生コンサルタントファーム紹介

私たち「事例で学ぶ 事業再生のリアル」では、以下の5つのコンサルティング会社をご紹介します。
求人ページのリンクに募集要項があります。それぞれを見比べて、ご希望の職場を探してみましょう。

会社名 求人ページ
山田コンサルティング
グループ
https://www.yamada-cg.co.jp/careers/new-recruit/
みそうパートナーズ
https://misou-p.com/recruit/
AGSコンサルティング
https://recruit.agsc.co.jp/?_ga=2.200653799.891789987.1729235958-254490254.1729235958
ロングブラック
パートナーズ
https://www.longblack.co.jp/recruit/
フロンティアマネジメント
https://www.frontier-mgmt-recruit.com/

【まとめ】銀行からの転職に、事業再生コンサルという選択肢を

今回は、銀行勤務の方のネクストキャリアとして、事業再生コンサルタントがどのようにふさわしいかについてお話ししました。
記事をお読みになって事業再生コンサルタントに興味をもった方は、はじめの一歩をふみ出してみませんか。

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