2021年01月12日
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顧問先の事業再生を自分たちだけでできるのか
顧問先の企業から事業再生について相談されたらどうしたらいいのでしょうか?引き受けてもいいものなのか、コンサルタントなどの他の専門家に相談すべきか、迷われる弁護士や税理士などの士業の方も少なくありません。
結論からいうと、引き受けてしまうのではなく一旦は事業再生の専門家に相談すべきです。この記事ではその理由を解説します。
顧問先から相談されている弁護士や税理士の方必見です。
事業再生の知識や経験があるのであれば弁護士や税理士などの士業の方が事業再生のサポートをすること自体は可能です。ただ、事業再生では再生計画の実行の他にも企業を取り巻く債権者など利害関係者との調整など膨大な量のタスクをこなさなければいけません。
また、自信があっても専門知識やノウハウがなく失敗するリスクが非常に高いです。実際に士業の方が事業再生を引き受けたはいいものの、預金の差し押さえなどを受けて倒産寸前にまで追い詰められた事例を幾度となく見てきました。
「餅は餅屋」という言葉がありますが、専門家である事業再生コンサルタントなどに相談したほうが得策です。
事業再生コンサルに依頼するべき3つの理由
それではなぜ事業再生を専門家に相談するべきなのでしょうか?その理由を3つご説明します。
社内にはない専門的な知識やメソッドを獲得できる
事業再生は机上の空論だけでは実現できません。
事業再生コンサルタントの専門家はさまざまな経験を積んできました。数多くの企業の再生をサポートしたからこそ得られる専門知識、編み出される独自のメソッドが存在します。
専門家に相談することで、それらのノウハウを自社で使うことができるのです。
より客観的な判断できる
顧問弁護士や顧問税理士も企業から見たら立場上は第三者と言えます。
しかし、多少なりとも関わりがあれば私情などが生まれますので100%客観的な意見は言いづらいものです。
事業再生の専門家は完全に外部の人間だからこそ、余計な私見や忖度を排除し、客観的で公平なジャッジができます。
迅速かつ正確に遂行可能
顧問弁護士や税理士は事業再生がメインの業務ではありません。本業が忙しいと、どうしてもサポートを片手間で行なったり後回しにしたりといったこともありうるでしょう。
事業再生の専門家は当然ながら事業再生のサポートが本業となりますので、全リソースを注ぐことが可能。スピード・正確性とも片手間で行なうのと比較すると雲泥の差です。
パートナーと事業再生を成功させるには
事業再生は専門家に相談したほうが越したことはありませんが、だからといって丸投げというのも考えもの。専門家と顧問先の企業、そして顧問弁護士・税理士の3者が協力することで事業再生が上手くいきます。
たとえば労働問題を専門としている弁護士の方は再生計画を実行する上で発生しうる労働者との紛争の予防に努めることで、事業再生が失敗するリスクを下げることができるでしょう。
現状俯瞰や事業再生案の策定・実行は事業再生コンサルタントであるパートナーの任せ、士業の方は自分の得意分野で援護することで、顧問先の事業再生に貢献することができます。
事業再生における弁護士の役割
事業再生においては企業を取り巻くステークホルダーとの利害調整が重要です。
全員の利害が一致することは稀なため、合意点を提案して最適な落とし所を見つけなければいけません。
利害関係の調整という点において弁護士の資格やスキルは大きなアドバンテージとなります。
事業再生における税理士の役割
事業再生を果たす上で会社の財務状況の改善は必須です。
顧問先の数字を把握している税理士が節税や軽減税率など税負担を軽減できるアドバイスをし、実行できるようアシストすることで、キャッシュフローの最大化に貢献することができます。
事業再生コンサルのパートナーの失敗しない選び方
誰がコンサルを行うかによって事業再生の成否が大きく左右されます。ここからは失敗しないパートナーの選び方をご紹介します。
自社に必要な知識を持つ人材であること
当然のことですが企業が必要としているコンサルタントを選ぶ必要があります。
たとえばキャッシュフローの問題で事業が失敗したのであれば、コストカットや資金調達に明るいコンサルを選ぶ必要があります。まずはそのコンサル会社もしくはコンサルタント個人が何を得意としているのかを把握しましょう。
また、事業再生は人と人が行うものです。コンサルタントの人柄も見て、相性が合うかどうかという点についても見極めましょう。
協力して事業再生を遂行できること
顧問弁護士や税理士を総入れ替えした上で事業再生をすすめるコンサルタントもいます。
そうなると顧問先の事業再生に協力する気持ちがいくら強くても切り捨てられしまうでしょう。逆に士業の方を尊重し、共同して再生を目指すコンサルもいます。
お互いに協力し合いながら顧問先の事業再生を行っていく姿勢があるかどうかを確認しましょう。
事業再生における豊富な実績
多くの企業の事業再生に携わってきたのであれば、それだけ実力と知見、経験が豊富で、信頼性も高いと言えます。
また、顧問先の事業に関する知識があれば、より的確な再生案の作成・実行が可能です。
過去にどんな企業をどれくらいサポートしてきたか?実績にも注目してみましょう。
事業再生の明暗を分けるアドバイザー選び
繰り返しになりますが、餅は餅屋。事業再生のことは事業再生コンサルタントなどの専門家に相談するのが一番の近道です。
その上で弁護士や税理士の強みを発揮してサポートしていけば、顧問先を救える可能性が高まります。
ただ、コンサルなら誰でもいいというわけではありません。実績やスキル、人柄などをしっかりと見極め、顧問先に合ったパートナーを選びましょう。
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