介護事業の大手である日本ヒューマンサポートが負債62億円で民事再生法適用を申請

2024年08月08日

事業再生・民事再生についてのニュース

会社名	株式会社日本ヒューマンサポート
公式HP	https://n-h-s.jp/wp/company/
再生方法	民事再生
申請日	2024年3月29日
負債額	62億円
本社所在地	埼玉県
資本金	3億円

株式会社日本ヒューマンサポート（埼玉県春日部市豊町1-4-5）は2024年3月29日に東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請し、同日に保全・監督命令を受けました。同社の負債総額は約62億円に達しており、大規模な債務が経営再建の主な課題となっているようです。

埼玉県春日部市を拠点とする同社は設立当初から医療機器の販売と老人福祉施設の運営を手掛けていましたが、2003年以降は総合的な老人福祉事業にシフトしていました。「ヒューマンサポート」のブランド名をもって、埼玉県東部や茨城県内に16の施設を展開して、2023年3月期には約45億円の年収入を計上していました。

また、同社は埼玉県が実施する介護人材採用・育成事業者認証制度で1つ星の認証を受けています。介護人材の採用や育成に対する取り組みが評価された結果であるため、地域社会に貢献する介護サービス提供者として責任を果たしていると判断できるでしょう。

しかし、同社は事業拡大を急速に進めたことにより、施設の増設や法人買収に必要な資金調達を行い有利子負債が激増した結果、借入金の利払いが経営の重荷になっていきました。さらに、人手不足や物価上昇の影響が収益の悪化に拍車をかけ、本業での赤字が常態化していったのです。

こうした状況を脱するために事業の一部譲渡やスポンサー候補の募集をして、経営再建を目指していきました。一方で、同社の不適切な会計処理が明るみに出たことで顧客やスポンサーからの信用が大きく損なわれてしまったのです。そのまま取引先や金融機関からの支援にも限界がきてしまい、自力での再建が不可能となって、民事再生の法手続きを経て再建を目指す事態に至ったとのことです。